2025春期のドラマもいよいよ終盤!
正直なところ“当たりクール”とは言えないシーズンでしたが、そんな中でも埋もれてほしくない良作はちゃんと存在していました。
ドラマ好きの筆者が視聴した全22作の感想を、「もう一度見たい名作」から「視聴離脱してしまった作品」まで、率直にランキング形式でまとめています。
ドラマ選びの参考になれば嬉しいです!

それでは、ランキングにいきましょう!
2025春|もう一度見たい名作ドラマTOP3
1. 対岸の家事
「対岸の家事」は、間違いなく後世に残したい社会派ホームドラマの秀作。「わかりみが深い」とSNSでも話題になった作品だ。
今までなかなかスポットが当たらなかった家庭内の「見えない家事」「見えない育児」の過酷さ、「感謝されないケア労働」といった問題を、単純化せず、説教臭さもなく、ナチュラルに描いている。
題材の勝利とも言えるが、それを視聴者に受け入れられる“ドラマ”として届けたバランス感覚が素敵。
役者陣も魅力的で、多部未華子さんはじめ、一ノ瀬ワタルさん・江口のりこさん・ディーン・フジオカさん・田中美佐子さん・島袋寛子さん等、新鮮さがありつつキャラクターとして愛されるキャスティングが光っていた。
2. 続・続・最後から二番目の恋
「続・続・最後から二番目の恋」は、前作・続編を知る人には、エモくて刺さりまくったはず。
還暦が主人公の恋愛ドラマなんて、聞いたことありますか?
当時40代だった登場人物たちが、10年以上を経て、今や60代。視聴者と一緒に歳を重ねた“人生の続き”が描かれていることが、まず嬉しい。
舞台は変わらず鎌倉。風情ある風景の中で、登場人物たちがあーだこーだ言いながら、日々を交差させていく様子は、自然で、軽妙で、独特の心地よさがある。
攻めるばかりでない今の時代の雰囲気にとても合っている。
今この続編を世に出したスタッフ陣は、本当に粋だと思う。拍手を贈りたい。
3. 波うららかに、めおと日和
「波うららかに、めおと日和」は、昭和を舞台にうぶな微笑ましい2人にクスッとさせられる、新婚夫婦のラブコメディだ。
芳根京子さんと本田響矢さんのピュアなやりとりが可愛らしく、ほっこりさせられる。
派手さはないが、ゆったりとあたたかく、ひとつひとつの出来事と心の機微をていねいに楽しませてくれる作品。
ダークでセンセーショナルな要素を含むドラマが多い中で、きらめく良作だと思う。
この地味で穏やかな物語を、全国ネットのドラマとして制作・放送した制作陣を心から信頼する。
2025春|楽しく見続けた良作ドラマ 7選
4. ディアマイベイビー
「ディアマイベイビー」は、松下由樹さんの怪演が光る、いわば芸能界サイコスリラー。
芸能マネージャーが、担当タレントをわが子のように溺愛し、依存する。分かりやすい設定ながら、奥行きと緊張感があって、見応えのある作品に仕上がっている。
主演の松下由樹さんはじめ、野村康太さん・中村ゆりかさんといったキャストもはまっていて、そう見せてくれる演出も素敵。
印象的なのは、毎話エンディングが無音の次回ダイジェストになっている点。恐怖の余韻を残したまま、静かに続きへ誘導してくれる。楽曲もマッチしていて、最後までスタイリッシュに楽しめる。
5. あなたを奪ったその日から
「あなたを奪ったその日から」は、自分の娘を奪われた母親が、加害者の娘を奪うというショッキングなテーマ。
倫理観を問われる物語設定と、背景にまだ何かありそうという興味で、つい展開が気になってしまう。
ただ、加害者に情を感じるシーンなど、多少説得力に欠けると感じてしまう点があるのが残念。とはいえ、「攻めた内容の連ドラ」としての存在感はあり、記憶に残る作品のひとつ。
6. パラレル夫婦
「パラレル夫婦」は、お互いに亡くなってしまった夫婦が、1日3分だけ別世界で会えるという、少し不思議で新しい設定。軽いかと思いきや、しっかり見せる部分もあり、かといって重くなりすぎないバランスがいい。
SF要素のある今っぽい世界観に、夫婦の絆という身近な愛情が混ざり、サクサク見られるのに、しっかり心に残って楽しめる作品になっている。
7. 夫よ、死んでくれないか
「夫よ、死んでくれないか」は、不穏なタイトルで放送前から一部をザワつかせたが、ドラマとしてしっかり見応えがある内容だった。
三者三様の夫婦関係と、その中に潜む不満を丁寧に描き、動機をきちんと理解させた点は大きい。
ドラマ全体のムード作りが上手く、退屈させない。特に映画仕立てのエンディングは作品全体の世界観を引き締めていた。
安達祐実さん・磯山さやかさん・相武紗季さん・塚本高史さん・高橋光臣さん・竹財輝之助さんという3組の夫婦キャストが全員魅力的に映っていたのは、演出がいいからだと思う。タイトルの奇抜さをマイナスにせず、内容でしっかり楽しませてくれた。
8. 子宮恋愛
「子宮恋愛」は、タイトルのインパクトとは裏腹に、まとまりのある恋愛ドラマだった。
松井愛莉さんと大貫勇輔さんのバランスが良く、2人の展開を素直に応援できた点は大きい。嘘くさくなく、ちゃんとドキドキさせてくれる。
「子宮が恋する」というセリフは正直浮いていると思ったが、それ以外は、恋愛ドラマとして普通に楽しめる内容で、少女漫画的な恋愛ドラマとしては、秀作だと思う。
制作側の真面目さが伝わってくるような丁寧さを感じた。
9. なんで私が神説教
「なんで私が神説教」は、教師がネットで調べて用意したカンペを元に、”神”説教を繰り出すという、ウイットに富んだ設定が、今っぽくて面白い。
教師と生徒の、今どきの距離感で描かれる指導と成長の物語は、軽さと真面目さが同居している。
軽さと重さのバランスがとれていて、見ていて退屈せず、疲れない。
幅広い層におすすめできそうな万人向けの良作。
10. 彼女がそれも愛と呼ぶなら
「彼女がそれも愛と呼ぶなら」は、栗山千明さんと伊藤健太郎さんというキャストに惹かれて見始めたが、主人公の複数恋愛には共感できず、設定は奇抜だが中身は意外性に欠けるように感じられて、はじめは正直つまらないと感じた。
が、途中、主人公の友人(徳永えりさん)にスポットが当たると、風向きが変わる。
家庭での妻として母としての立ち位置、葛藤の切実さには共感しやすく、展開にも引き込まれた。
個人的に徳永えりさんが好きという事もあり、そのパートが来るのを心待ちにしてしまった。
作品としては好みが分かれそうだが、個人的には徳永さんのはまり役が見られてよかったという感想。
2025春|完走したけどもう一歩だったドラマ
11. キャスター
「キャスター」は、ニュース番組の舞台裏が垣間見えるような作品で、扱う題材もそれなりに興味深く、楽しめた。
とはいえ、阿部寛さん演じるキャスターの型破りさは、非現実的で嘘っぽく感じられる面もあり、いまいち引き込まれない。
想像を超えるような興奮や、次回が待ち遠しくなるような高まりはなく、日曜劇場として期待したほどではなかった。
12. 恋は闇
「恋は闇」は、グロテスクな表現があり、目を背けたくなる場面もあって、終始視聴意欲は高くなかった。それでも見続けたのは、「犯人は志尊淳さんなのか?」というミステリー的な興味が残り続けたから。また、宅配の青年(望月歩さん)や主人公の友人(森田望智さん)など、“妙に気になる”登場人物がちらほらいた事も、引力になっていた。
犯人を考えさせるミステリー要素は、ちゃんと興味を惹くものとして生きていたと思う。ただ、好みは分かれる。
調べると、制作は「あなたの番です」「真犯人フラグ」のスタッフとの事。あの気持ち悪さ、納得です。
2025春|途中で視聴離脱してしまったドラマ
4~6話で離脱
時間が足りず、相対的に見なくなったドラマたち。内容は悪くないけど“優先度”で脱落。
・人事の人見
普通に面白いけれど意外性がない。予想できる展開が続き、後回しのまま視聴終了
・天久鷹央の推理カルテ
テンポも良く見やすいが、特に心を動かされるポイントがなく、自然とフェードアウト
1~2話で離脱
“引き込まれなかった” or “しんどかった”…初期で見なくなってしまった作品たち。
・ダメマネ!
コメディのノリが自分には合わず、登場人物に興味が持てず終了
・ジョフウ
テーマは面白そうだが、想像以上のものがなく、早々にフェードアウト
・Dr.アシュラ
映像の暗さと空気の重さで、視聴へのハードルが高く感じられ離脱
・イグナイト
アバランチ系の既視感と、重苦しい雰囲気で「またこの感じか」となってしまった
・魔物
演出の“ここが見どころ!”感が過剰で、見ていて恥ずかしくなってしまった
・社畜人ヤブー
インパクトあるタイトルに対して、内容の意外性に欠け、印象が薄かった
・いつか、ヒーロー
マイホームヒーロー的な既視感と、暗いタッチに「これは今見なくていいや」と判断
・PJ
面白そうだが、重厚な雰囲気で見るのにエネルギーを要しそう→後回しに
おわりに
2025年春ドラマは、全体としてはやや控えめな印象のシーズンでしたが、その分、地味ながらも心に残る良作や、攻めた設定で挑んだ意欲作など、それぞれに個性の光る作品が揃っていました。
この記事では、あくまで“個人の好み”と“視聴継続の実感”に基づいて、全22作品を率直に振り返っています。
見る人によって、印象や感想がまったく違うものになるのも、ドラマの面白さでもあります。
みなさんはどの作品が響きましたか?
この記事が、新しい作品との出会いのヒントになれば幸いです。



それでは、また次のクールで!